麻酔プレイの後、
その、わたしよりも二周りほど年上の男性は、痛くないからね…と緊張状態のわたしをなだめてくれた
くちの中を、鋭利な道具でかき回される事は初めての体験だったが、麻酔のおかげで痛みを感じることは微塵も無かった
終わったよと耳元で囁かれ、気だるい上体を起こす
ふと右の方に目をやると、ステンレスのトレーの上に、ついさっきまでわたしの体内に埋まっていたモノが、無残にもさらされているのだった……
親知らず
抜きやした
麻酔切れてきたよぅ…
口の中が痛いよぅ…
明日から投薬生活(痛み止め等)か……
食事や歯磨きにも影響がでてくるみたいなんだ……ブルーレットな気分だぜ……
でも、
「おくちから、絶えずいちごシロップ(血のことね)が出てくるんや!それってば、最強にメルヘンだわねっ!」
って思ったら、ちょっとだけ楽しくなったよ
ちょっとだけな
体がこんなにも痛むのは、何時ぶりなんやろうと考えた
『今、わたしは何処も痛くないから幸せだよ』と言っていた、あのひとを思い出した
痛いっス
でも、生きてることを実感する
これも、ひとつの幸せのかたちなのかねえ
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